ホはホログラムのホ PartII

来年の私より今の私の方が若い

2024年 読書記録(2)

とにかくこまめに読むのだ。

4.
獅子座、A型、丙午。
鈴木 保奈美著


BSの番組で拝見するようになって、
さらにこのエッセイを拝読してから、
印象が変わりました。

同時に、年齢を聞いて、
あの美しさに改めて驚く。

もちろん女優さんだから、
庶民とは違う生活の側面というのが
あるんでしょうけど、

ふとした時に巡らせる妄想や、
時代に即した問題意識、
気取りなく書かれているドジっぷりに
共感してしまった。

たぶん2冊目が出たら
読みたいと思うだろうな。



5.
韓国現代詩選
茨木 のり子訳編


現代詩といっても、
私のもっと上の世代の方々の
作品なんですね。

そりゃそうか。
茨木のり子氏は1926年(大正15年)生まれ。

たくさんの詩人が取り上げられていますが、
名前を見てすぐに
男性なのか女性なのか
分からない。

読み始めて、
たぶん…女性かな?と推測しますが、

自分が思ったより
性別で作品に対する視点を
探っているのだなと
自覚するきっかけになりました。


そんな中、
個人的に気に入ったのが、

李 海仁(リ へイン)さんの詩。

韓国ドラマをぼちぼち
観るようになってから
遅ればせながら知りましたが、
韓国ってキリスト教者が多いんですね。

この詩人は修道女だそうで、
私には信仰はないけれど、
なんとなくロマンを感じてしまった。


「恋」という一篇から:

彼がはじめてわたしのところへ来たとき
わたしはもう
彼のものでした

呼べば光りそのものとなる
絶対の彼
門を閉めても入ってくるのです

白い白いからたちの花は
刺のあいだあいだに噴きだす
涙なのでした。


茨木のり子氏による解説を読むまでは、
なんて純粋でけなげな恋の詩か、
と読んでいたのですが、

「詩のなかで<彼>とか<その人>
 というのは、はっきりキリストを
 指していると思われる」

ということで、
再度読み返すと確かに印象が変わる。

でもやはり、詩として美しいなと
思うのでした。

その他にも
心を揺らす詩がたくさんありましたが、
都会の川を遡ってきたワニが
テーマの作品などが
記憶に残っています。


暗唱できるようになるほど
頭がいいわけではない私ですが、

詩を読んでいる時に
頭の中に広がるイメージ、

それは絵のようなものであったり、
色であったり、
音のようなものだったり、

その一瞬の世界に浸っているのは
間違いなく、

たとえ忘れてしまっても、

その一片は頭のどこかに
消えずに残るのではないか、

それで十分ではないか、

と思っているのです。



6.
砂漠にコスモスは咲かない
ヨネヤマ ママコ著


恥ずかしながら
存じ上げなかったが、

日本のパントマイムの草分け的存在
だったということで、

この本は自身による
半生記とエッセイで構成されています。

「だった」と過去形なのは、
昨年88歳でお亡くなりになってます。

岡田真澄氏との短い結婚生活、
その後渡ったアメリカでの苦労、
日本に戻ってからの空間芸術に
対する尽力…。

辛いことも悲しいこともあったと
思いますが、
全力で生きていたんだろうなと
うらやましくもあり。

文章も表現や言葉の選択に
著者独自のものがあって、
私はとても好きでした。



ということで、

1月は6冊読みました。
そのうち詩は1冊。

悪くないスタートですが、
比較的読みやすい
エッセイが中心だったので、

来月は、
そろそろ本格的に
読破したい作家の小説に
着手していこうかと思います。


今後の読書リスト:

13の判決

絶版のようで、
オンライン書店では取り扱いなし。

パトリシア・ハイスミスを含む
有名推理作家の書下ろし傑作集。



暇と退屈の倫理学


鈴木保奈美氏の本の番組で
紹介されていたものの中から。



壁の向こうへ続く道


ちょっと!!
教えてくださいよ~。

気付かぬうちに、
シャーリィ・ジャクスンの
新しい翻訳本が出版されていた。

初めての長編だそうで。

表紙も不穏だ。
楽しみです。


その他は、
途中で積読になっていた

Milk and Honey


詩集です。


それから、
Crying in H martがやっと
届きました。



以上が現時点の2月のラインアップ。

せっせと読もう。