ホはホログラムのホ PartII

来年の私より今の私の方が若い

2024年 読書記録(3)

誰だか忘れたけど
ある女が男友達に聞いた

なぜ女を恐れるのか

”笑われるのが怖い”と
彼は答えた

彼女は女たちに

なぜ男を恐れるのか聞いた

答えは――

”殺されるのが怖い”

  ―「THE FALL 警視ステラ・ギブソン
    イギリスのドラマから


これ…。

すべての男性に知ってほしい。

このことを頭に入れていただいていれば、
男性が言う「合意だと思った」という
女性との認識のずれは、
かなり減ってくるのではないかと思う。

自分は絶対そんなことしない!って?

そういう問題じゃないんです。



ということで、

2月の読書記録。


7.
行きつ戻りつ死ぬまで思案中
垣谷 美雨著



読みやすくて楽しいエッセイでした。
ジェンダー問題をテーマにしたものも多く、
共感しやすかった。



8.
13の判決

読破を目指す作家の1人、
パトリシア・ハイスミス
含まれているので読みました。

タイトル通り、
「判決」をテーマにした短編を、
英国の著名な推理作家たちが書下ろし。

どれも個性的で、
読んでいて楽しかった。

でもやっぱり
好きなのはP.D. ジェームズだったかな。

彼女が作り出した
最も有名なダルグリッシュ警部が
活躍していて、

いかにもイギリス!って感じだったし、
翻訳ですが、著者特有の持って回った
文章が好みでした。

BSでダルグリッシュ シリーズの
ドラマが始まった!

www.bs11.jp

私の頭のダルグリッシュ像は、
もっと鋭くてクールな感じなんだけど、
ダルグリッシュ役の役者さんは
目が優しすぎるかな…。

でも、楽しみです。



9.
Milk and Honey
RUPI KAUR著




翻訳と照らし合わせながら
読みました。


最初に読んだ時のように、
入り込めた。

全体的に「女性であること」への
違和感や称賛がテーマとなっており、

まったく同じ体験をしたわけじゃなくても、
共感できる部分がたくさんある。

前半は主に苦しみを表現した
作品が多いですが、

最後の「癒すこと」の章では
そのままの自分を受け入れ
大切にしようという宣言が
語られており、

後味のいい構成になっています。


私の太もものひび割れが
人間らしく見えるのが好き
私たちはすごくやわらかく
それでいて私たちが望むときには
荒々しいジャングル的野生でもある
私たちのそういうところが大好き
私たちがどれだけたくさんのことを
感じられるか
私たちがどれだけ恐れを知らず
壊すことができるか
そして私たちの傷を情け深く気遣うか
ただ女であること
私自身を
ひとりの女と呼ぶことが
私をまったく申し分のない
完全体にする


彼女自身が描いたイラストも
素敵です。


他に、
シャーリイ・ジャクスンと
Crying in H martも
同時進行で読んでいますが
まだ終わっていない。

そうこうしているうちに、
予約していた本が回ってきたので、

早速、

10
暁方ミセイ著
ウィルスちゃん」を読みました。

タイトルが得してるのか
損してるのか…。

中身は、そんなにポップではありません。


さよなら陰道の花花、
ひつじが薄い眼をして
青白いところから世界をみている
わたしはそれを舐めて泣き止む
世界はひつじたちの
一枚下の層にある

あるいはまた
薄明の頃から青い匂いの草を潰して
あるか、
がたがた揺れる荷車に乗ってひかりの清潔な林のなかを
どこまでも呼吸は透きとおりながら
あなたはすべてを
許したことが

  ―― 空き部屋

※途中の「あるか」は
 タイプミスではありません。
 この語順通りです。

第17回中原中也賞受賞とのこと。

また時間を空けて
読み直してみたい。



さて、次のパトリシア・ハイスミス
着手しなければ!

今年はパトリシア・ハイスミス
なんとしても読破する!

忙しい!


ということで、
2月は4冊読了。

そのうち詩が2冊。

来月もガシガシ読むぞ~。



◎来月の残りのラインアップ:

ケン・リュウ
草を結びて環【たま】を銜【くわ】えん


SFを読まない人も、
ケン・リュウなら読めると思う。


瞬間
ヴィスワヴァ・シンボルスカ著


ノーベル文学賞を受賞した
ポーランドの詩人の詩集です。



パトリシア・ハイスミス読破のための
3冊はこちら。

・クイーンズ・コレクション 1

・殺人者の烙印

どちらも絶版?

後者は恐らく
以前読んだ「慈悲の猶予」の改訂版と
思われるが…。

とりあえず読んでみよう。



動物好きに捧げる殺人読本


タイトルが怖い。